昨日の続きです。
これだけアンコだらけのエンジンをフラッシングしても意味が無い。
下手をするとスラッジが流れてオイルラインを塞いでしまう。
イコール=エンジンブローにつながる
ということで、出来る範囲の掃除をします。
ヘッドカバー、オイルパン、ストレーナはドライバーでアンコ状のスラッジを落とした後に灯油で洗浄
ヘッドカバーのアンコもドライバーと手で出来る限り取りました。
手前のカムキャップはボルトが見えてきました。
気を付けてはいるものの、どうしてもカムの下側に小さい塊が落ちてしまう
あまりよろしくないけど仕方が無い。
お客様の予算もなるべく安くとの事なので、ここで必要以上に時間を掛けられません。
ある程度塊を取った後はレクトラクリーンという金属パーツクリーナーをかけて放置プレー
でも大量にヘッドにかけてもブロックまで落ちてこない。
完全にオイルの落ちるところが塞がったか
まあ洗浄作用が強いので大丈夫でしょう。
ここでヘッドカバーとストレーナ、オイルパンを仮止めしてフラッシングオイル注入
説明は10分のアイドリングとありましたが、今回は危険を冒して30分×2回やりました。
一回やってからオイルエレメント交換。
やはり。かなりヤバい事になってます。
レクトラクリーンをフラッシング剤に混ぜて再度注入。
30分のアイドリングで、たまにレーシングしましたが異音は出てません。
異音の元はタイミングチェーンのテンショナーが臭いか
ここでもう一度、ヘッドカバーとオイルパンを剥ぎます。
エンジンブロックの中は敢えて直接触って掃除しませんでした。
気持ち的にドライバーでスラッジを取った後にワイヤーブラシを使って掃除したかったのですが、どちらにしても内部はワイヤーブラシが届かないので、敢えて洗浄剤とフラッシングでどの位キレイになるかみたかったのです。
結果は思ったよりも全然キレイになってました
特にレクトラクリーンを直接かけた部分は、かけたそばからスラッジが塊のまま滑り落ちてましたから、フラッシングしたらアルミの地肌が見えるくらいキレイになってした。
オイルパンには塊を砕いた感じのスラッジが溜まってます。
ストレーナーも同じ状態。
再度灯油で洗浄
キレイになりました
ここでストレーナー、オイルパン、ヘッドカバーを取り付けパッキンが乾くのを待ちます。
パッキンが乾いた頃に再度オイルエレメントを交換してオイルを注入
アイドリングで異音なし。
走行テストでも問題なし。
ただしこの後、まだ残っているスラッジが原因で問題が起きる可能性があることをお客様に説明して納車しました。
本当は次のオイル交換の時にもう一度フラッシングしたいところですが、どこかでやってストレーナが詰まったらいけないので、オイル交換だけはしっかりやってくださいとお願いしておきました。
今時の車はオイル交換を2万kmまでしないで良いとか言われてますが、オイル交換をしないで良いのと、点検をしないで良いのとは違います。
日本人の悪いところは上記の様な事を混同してしまう事ではないでしょうか?
オイルは乗り方によって寿命は変ります。
しかも少しずつ燃えたり、漏ったりしているかも知れません。
点検だけはして下さい。
従来は法律で決まった運行前点検で1日一回乗る前にオイルをチェックする義務があったのですが、現在は日常点検に変り使用者の判断で実施することに変更されました。
車検も何もしなくて良いから安く取って欲しいと希望されるお客様が増えましたが、車検で何もやらず、日常点検もやらずでは良いコンディションを保てるはずがありません。
もう少し車をいたわってあげて下さい。
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ラベル:スラッジ清掃